手と手の温もり

私の考えごと

誰かと手と手を繋ぐような言葉を紡ぐことは、

可能だろうか?

 

私に、後悔や贖罪がいらないような、

優しい言葉を紡ぐことはできるだろうか?

 

私にとって、楽しかった思い出は、ずっと彼や彼女の優しさの内に存在していて、

どこかに何かを忘れてきてしまうのは、いつも私の方だった。

 

友情や恋愛の感情は、とても甘美で忘れがたく、

私の心を締め付けはするものの、何故か私は、その関わりから

逃げだしてしまうことが常だった。

 

私の過去の出来事がそうさせるのか、

それとも、未来に対する漠然とした不安がそうさせるのか、

何かを行うときには、大きな葛藤と対峙することが

とても多い人生だった。

 

誰かと「手と手を繋ぐ」ということは、簡単なようでいて容易ではない。

 

私は、勇気を持って何かを行うということが、あまり得意ではない。

 

何か、「思いを表現する」ということも、

臆病な性格が災いして、なかなか上手くはいかない

ことの方が多い。

 

けれども、たくさんの人達と紡いだ思い出や、

つないだ「手と手の温もり」が、今、私の人生を

懸命に支えている。

 

道端をすれ違う人達の楽しそうな表情も、

どこか寂しげな街中の景色も、今、ここまで生きてきたことで

感じとれるかけがえのない風景の一つで、私の人生が獲得してきた、

私にとってとても貴重なものの一部である。

 

悩みや葛藤、不安や焦燥、それはそのまま私を包み込みはするものの、

それをなんとか解決する方法を、今も、多くの関わりが教えてくれている。

 

「人生を歩む」ということは、

もしかすると、容易いことでは無いのかもしれない。

 

しかし今、私の掌にとても「暖かさ」を感じるのは、

様々な人生の中にある彼らや彼女たちと共に生きてきたことで

受け取ってきた、かけがえのない大切なものが、私自身の心の内に

知らず知らず影響を及ぼしているから、かもしれない。

 

もし、仮にそうであるならば、

大切な人達から受け取った大切なもの、

それを大切なものとして、私が慎重に扱わなければ

いけない。

 

「どこかに置き忘れてきた何かを、誰かが拾って届けてくれている」、

そう感じるそんな瞬間に、私は私の思いをどんな言葉で返せば良いのだろうか?

 

私は、ずっと、そのための言葉を探している。

 

 

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