私には、自分自身の意志とは無関係に
「何かに突き動かされてしまう」という経験がある。
生来、私は、宇宙の事を考えたり、物事の仕組みを考えたり、
何かに没頭して忘我するという事が、ままあったりする。
そのような時、自分自身とはおおよそ関わりのない思いや力、情念が
ふと湧き起こり、自分自身を突き動かす事がある。
初めて自分自身の意志とは無関係に、身体が動いたのは16歳の頃。
高校生の頃の中間テスト、数学の試験での出来事だった。
テストには何題か設問が用意されている。
その中の一題を見た瞬間、脳裏に「答え」が浮かんだ。
それが「答え」だとはっきりと分かるような仕方で浮かんでいた。
ただ、私の意識(脳)が、「何故それが答えなのか?」を
とっさには理解出来なかった。
故に、懸命に「それが答えである理由」を探した。
理由について、考えた事がまとまったので、それを解答用紙に書いた。
後に、設問の解答を見たところ、背理法での証明を
行わなければいけない問題だった。
問題の解き方は違ったのだけれど、私の解いた解答と結論は一致していた。
その当時の数学の先生には、論理的に思考出来ている事をとても褒められた。
しかし、論理的に思考出来るから「答え」が分かる訳ではない。
「答え」とは、瞬間的に脳裏に浮かんでしまうものであるから。
「note」というプラットホームに初めてお邪魔した時も、
何か私自身の意志とは無関係の力が働いていて、書いているというより
書かされているという感覚が強かった。
「note」というプラットホームを一旦去ろうとした時も、
強く、自分自身の身体を拒絶されるような感覚が残った。
少し考えてみたのだけれど、もし、意志の力というものが、
私たちの思っているものとはもっと別の、多様な力のあり様のひとつで
あったとしたら…。
「自分自身の意志とは何か?」、とても興味深い問いである。

