私が、高校時代に悩んだ事の一つとして、
「傾きとは何か、どう導出しているか?」という事がある。
「傾きに関する定義」を様々な本で調べてみると
傾き $= \displaystyle\frac {yの変化量} {xの変化量} $ で表される、と書かれている。
ちなみに、変化量とは、
「ある数から別のある数へ特定の値が変化した時の、
その値の差分」の事。
また、変化量とは、多く「 $\varDelta$ 」で表され、ゆえに
「 $x$の変化量$=\varDelta x$ 」また「 $y$の変化量$=\varDelta y$ 」とおける事から、
傾き $=\displaystyle\frac{\varDelta y}{\varDelta x}$ である。
この「傾き」という概念は、数学や物理学を学ぶにあたって
極めて重要で、高校生になると、この「傾き」の扱いがとても
大切になってくる。
例えば、数学や物理学において、
「ある瞬間における傾き」という考え方が登場し、$dx$ , $dy$ を使って、
ある瞬間における傾き $ = \displaystyle\frac{dy}{dx} $ などとする。
この$dx$とは、「ある瞬間における $x$の変化量」、
また、$dy$とは、「ある瞬間における$y$ の変化量」の事である。
従って、
ある瞬間における傾き$ =\displaystyle\frac{ある瞬間におけるyの変化量}{ある瞬間におけるxの変化量}$
となる。
この時、この「瞬間」とは、写真機でパシャと写真を撮った、
その「一瞬」の事である。
これを「瞬間」と定義してしまえば、一瞬の間に存在している私とは、
「写真に映った私と同様に」静止した状態のはずである。
つまり、「静止している瞬間にある値に変化なんて生じない、
なんか語義矛盾だなぁ」と、そんな事を高校時代に思っていた。
そして、「この問題をどう解消するか?」という事を
特によく悩んでいた。
今の私だったら、「瞬間」というものの定義を少し広げて、
「ほんの少しだけ時間の流れを許す」という立ち位置なのだけれど、
もしかすると、他にもこの問題の解消方法があるかもしれない、
とも思う。
私は、難しい問題に出会った時、その問題を
より簡単に扱えるようにするという方法を特に好む。
ただ、その逆で、より難解な問いに帰着させた方が
良い場合もあるのではないか、とも思う。
自分自身の問題を解決するにあたって、
試行錯誤、創意工夫、色々やってみるしかなさそうだと
そんな事を考えている。

